「何千億円を投資してもマイナス」 洋上風力撤退、三菱商事の判断

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千葉県銚子市沖の洋上風力発電所建設予定地の海域。現在は東京電力の風車1基が運転を続けている=銚子市で2025年2月7日午前9時14分、近藤卓資撮影
千葉県銚子市沖の洋上風力発電所建設予定地の海域。現在は東京電力の風車1基が運転を続けている=銚子市で2025年2月7日午前9時14分、近藤卓資撮影

 三菱商事は27日、千葉県と秋田県沖の3海域で計画する洋上風力発電所事業から撤退すると発表した。「30年間にわたる総売電収入と総支出を比べると、総支出が大きい。何千億円を投資してもマイナスのリターンで、民間企業が(そのリスクを)取れるものではないと私は判断した」。三菱商事の中西勝也社長は27日に開いた記者会見で、洋上風力事業からの撤退を決断した理由を率直に述べた。

 事業撤退の要因に挙げたのが予想以上の建設コスト高騰だ。中でも、中西氏が「一番重要なファクター」と強調したのは、風車そのものの原価の上昇だった。

ウクライナ侵攻などで状況一変

 三菱商事などの企業連合が事業を落札したのは、2021年12月。洋上風力事業の要となる風車メーカーは欧州の限られた企業しかなく、22年のロシアによるウクライナ侵攻などの影響で、関連資材などのサプライチェーン(供給網)が逼迫(ひっぱく)したという。

 これに物価…

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