父母が離婚した際、子の養育費に関する取り決めがなくても、子を養育する親が相手に一定額の養育費を請求できる「法定養育費」の額について、法務省は子1人あたり月2万円とする省令案をまとめた。9月上旬からパブリックコメント(意見公募)を実施した上で省令を制定する。鈴木馨祐法相が29日の閣議後記者会見で明らかにした。
法定養育費制度は2024年5月に成立した改正民法で新設された。改正前は、離婚時に父母間で養育費の額を取り決めていなければ子を養育する親は相手に養育費を請求することができなかった。厚生労働省の21年度の調査では、母子家庭で実際に養育費を受給している割合は28・1%にとどまり、実効性のある養育費の確保が課題だった。
法定養育費は、適正な養育費を父母間で決めるまでの暫定的な措置となる。法務省は、ひとり親家庭の消費実態や児童扶養手当といった社会保障の額などを考慮し、月2万円が適当と判断した。
また、養育費の支払いが滞った場合、支払い義務がある親の財産を優先的に差し押さえられる新たな制度についても、子1人あたり8万円を上限として優先的に弁済を受けられるとする省令案もまとめた。
こうした養育費を巡る新制度や離婚後の「共同親権」を盛り込んだ改正民法は26年5月までに施行される。【巽賢司】
Comments