ウクライナに侵攻するロシア軍は27日深夜から28日朝にかけ、ウクライナの首都キーウ(キエフ)をミサイルや無人航空機(ドローン)で攻撃し、28日夜までに、子供を含む21人の死亡が確認された。米国がロシア、ウクライナの和平交渉を仲介する中での大規模攻撃に、欧州各国の首脳はロシアへの非難を強め、ウクライナのゼレンスキー大統領は対露追加制裁の実施を呼びかけた。
ウクライナ軍によると、露軍は主にキーウを標的に、デコイ(おとり)を含めたドローン598機とミサイル31発を使用。このうちウクライナ軍はドローン563機とミサイル26発を撃墜したが、残る一部が市街地などに着弾した。キーウ市当局によると市中心部のショッピングモールを含む100棟近くの建物が破壊されるなどし、28日夜までに、2歳から17歳までの4人を含む少なくとも21人の死亡、48人の負傷を確認した。
攻撃は和平交渉に向けた米ウクライナ、米露などの協議が進む中で実施された。
ゼレンスキー氏はX(ツイッター)への投稿で「これがウクライナ、米国、欧州各国の停戦に向けた努力に対するプーチン露大統領の答えだ」と非難。対抗措置として「制裁や関税、その他の政治的手段を使ったロシアへの圧力が必要だ」と呼びかけた。
欧州各国の首脳も激しく反発した。スターマー英首相はXに「プーチン氏は子供や市民を殺害し、和平への望みを妨げようとしている」と投稿。マクロン仏大統領は「これがロシアによる和平の意思表明だ。この常軌を逸した残酷な攻撃を、最大限非難する」と皮肉を込めて投稿した。
露軍の攻撃では、英国の文化交流機関「ブリティッシュ・カウンシル」が入居する建物も入り口や窓が破壊された。また欧州連合(EU)の代表部から約50メートルの地点にも着弾した。英外務省は駐英ロシア大使を召喚、EUはロシアの駐ブリュッセル代表を召喚して抗議した。
一方、露国防省は28日、ロシア南西部などでウクライナのドローン102機を撃墜したと発表した。露当局によると、ウクライナ軍による攻撃で、南部クラスノダールなど2カ所の石油精製所で火災が発生した。【ブリュッセル宮川裕章】
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