第96回都市対抗野球大会の参加チームで最長となる16年連続出場の東京都・JR東日本。
都2次予選では最後の1枠を争う第4代表決定戦までもつれ込んだが、連続記録をつないだのは明治大出身の新人、杉崎成(なる)選手(22)の一振りだった。
一字違いの「兄貴分」、杉崎成輝(なるき)選手(28)とともに一、二塁を守り、新人賞である「若獅子賞」を狙う。
一字違いの先輩に憧れ
成選手の中学時代の憧れは、2015年に夏の甲子園を制した東海大相模で3番打者だった成輝選手だ。
甲子園で6本の二塁打を放ち、大会最多二塁打記録に並ぶなどの活躍に強い印象を抱いた。
名前が似ていることから同級生に「兄弟なのか」とからかわれたが、大舞台で躍動する先輩スラッガーに目指すべき姿を見た気がした。
ただ、東海大菅生から進学した明治大では長打を狙うあまり空回りが続き、「リーグ戦で活躍ができず、プロ志望届を出すことがかなわなかった」と振り返る。
そして、今年から飛び込んだ社会人野球の世界。24年に初めて試合を観戦した時、「球場全体が一体になって応援する光景に衝撃を受けた」と話す。
実際にプレーすると「野手の力がすごい」とレベルの高さに驚いた。
打撃の「心構え」学び
明大時代は「長打が打てれば多少の三振もやむなし」と考えていたが、JR東日本のコーチからは調子が悪い時でも安打を打つ心構えを学んだという。
チームでは1番打者を任され、長打を狙いつつも確実に塁に出ることが仕事だ。
成輝選手の存在も大きい。成選手は「なるさんは天才肌。少ない予備動作で無駄なくタイミングを合わせる」と話す。
その卓越した打撃センスに刺激を受けながら、同じ内野手として守備のアドバイスをもらう。
チームメートは2人を混同しないように成輝選手を「なる」、成選手を「るー」と呼ぶ。
都2次予選では、6試合でチーム最多の計14安打と大車輪の活躍だった。
最後の本戦出場枠を懸けたNTT東日本との第4代表決定戦では、ここぞという場面で持ち味の長打が飛び出した。
1点を追う五回に同点のソロ本塁打、八回にもソロ本塁打を放ち、勝利を決定づけた。
「正直、調子は良くなかったが、そんな中で結果を出せたのは社会人野球で心構えを学んだお陰です」と語る。
「目指すは若獅子賞。活躍してプロへの道をつかむ」。飛躍を誓い、若きスラッガーは29日の初戦に臨む。【白川徹】
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