北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記がバスケットボール好きになったのは、母の高英姫(コ・ヨンヒ)氏の影響――。韓国の北朝鮮専門家、鄭成長(チョン・ソンジャン)世宗研究所副所長が正恩氏の叔母夫婦から、そんな証言を引き出した。
高英姫氏(2004年に死去)は、金正日(キム・ジョンイル)総書記との間に正哲(ジョンチョル)氏、正恩氏、与正(ヨジョン)氏の3人の子がいる。英姫氏の妹の高容淑(ヨンスク)氏は、夫のリ・ガン氏と共に1998年、北朝鮮から米国に亡命したとされる。鄭副所長は21年3月、米国で夫妻を取材した。
鄭副所長によると、リ氏は「正哲は背が高いが、正恩は背が低くて高英姫が気を病み、正恩にバスケットボールをさせた」と説明した。その後、正恩氏はバスケットボールに夢中になり、ボールを抱いて就寝するほどだったという。容淑氏は「(正恩氏は)バスケットボールをしながら背がとても伸びた」と話した。またリ氏は「(正恩氏は)バスケットボールをしなくなって、太ったようだ」と証言したという。
正日氏の専属料理人を務めた藤本健二氏(仮名)も著書の中で「96年1月に正恩氏がバスケットボールを始めた」としたうえで「その魅力にとりつかれた」と記している。
鄭副所長は、正恩氏がスイス留学時代の97年1月、休暇で北朝鮮に帰省していた際の写真もリ氏から入手した。バスケットボール大会で優勝した時のものだといい、正恩氏はトロフィーを手にしている。
正恩氏の写真は、鄭副所長が今月、日本で出版した新刊「知られざる金正恩 四代目プリンセスとバスケ監督」(ワニブックス)にも掲載されている。【ソウル福岡静哉】
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