韓国大統領、対米関税交渉の妥結を歓迎 「造船カード」効果的に活用

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韓国の李在明大統領=ソウルで2025年7月3日、代表撮影・ロイター 拡大
韓国の李在明大統領=ソウルで2025年7月3日、代表撮影・ロイター

 トランプ米大統領は米国時間の30日、韓国との関税協議で合意したと表明した。韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領もフェイスブックで、関税協議が妥結したと明らかにした上で「大きな峠を一つ越えた」と書き込んだ。

 合意では、米国が韓国への関税を当初表明した25%から15%にする見返りに、韓国は米国に3500億ドル(約52兆円)の投資をし、液化天然ガス(LNG)など1000億ドル相当の米国産エネルギーを購入する。

 李氏は、3500億ドルの内訳について、造船、半導体、バイオ技術、エネルギーなどの分野だと明らかにした。「我々が強みを持つ産業分野で、韓国企業が米国市場に積極的に進出するのに役立つ」と強調した。

 一方、韓国大統領府の金容範(キム・ヨンボム)政策室長は31日午前、記者団に「大部分は直接投資ではなく、融資や保証だろう」と述べた。

 また、李氏は、3500億ドルのうち1500億ドルは米国への造船協力事業に充てられると明らかにした。

 米国は、軍艦建造の基盤となる造船業の衰退が深刻だ。安全保障上の懸念も出ており、商船の建造量で中国に次いで世界2位の韓国に協力を要請していた。この「造船カード」を韓国側が効果的に使った形だ。

 6月4日に発足した李政権にとって、米国との関税交渉は最初の大きな難関だった。

 李氏は「主要国と同等か優越な条件で競争できる環境を整えた。韓米間の産業協力が強化され、韓米同盟もさらに確固たるものになる契機にと期待している」と強調した。【ソウル福岡静哉】

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