国立劇場が来月「忠臣蔵」の名作九段目 情と忠義の壮大な心理戦

国立劇場が来月「忠臣蔵」の名作九段目 情と忠義の壮大な心理戦

 国立劇場は9月、「仮名手本忠臣蔵」の二段目と九段目を上演する。いずれも舞台にかかる頻度は他の幕に比べて少なく、2016年に国立劇場開場50周年を記念して忠臣蔵の完全通し上演が行われて以来。特に九段目は名作の誉れ高く、歌舞伎ファンにとってうれしい公演だ。  二段目・九段目ともに、塩冶判官と並んで足利直義のもてなし役となった桃井若狭之...
神の一手、窮めたい 囲碁 平田智也八段

神の一手、窮めたい 囲碁 平田智也八段

 「ヒカルの碁」(原作・ほったゆみ、漫画・小畑健)原画展に行ってきました。僕と妻の一番好きな漫画です。2回行きました。いやあ良かった。本当に良かったです。一つ一つの絵の迫力が。自分は全くの素人ですが、週刊連載でここまで描き込んでいるのかと、小畑先生の魂が伝わってきました。この感動を伝えられる語彙(ごい)力が無いのが悔しいです。  僕...
演劇 俳優座「ボーイ・オーバーボード」 「排外」強まる世界映す=評・濱田元子

演劇 俳優座「ボーイ・オーバーボード」 「排外」強まる世界映す=評・濱田元子

 「サッカーの秘訣(ひけつ)は絶対あきらめないこと」。ゲームと自身の境遇を重ね合わせながら、困難な状況を生きるアフガニスタンの少年少女らを描く。2005年、オーストラリアで青少年向け演劇として初演された本作(モリス・グライツマン原作、パトリシア・コーネリアス脚色、佐和田敬司訳、菅田華絵演出)は、排外主義がより強まる昨今の状況をも問い...
海原はるか・かなた 漫才は生きる喜び 結成55周年 「お客さんに元気な姿見せ続けたい」

海原はるか・かなた 漫才は生きる喜び 結成55周年 「お客さんに元気な姿見せ続けたい」

 「漫才に『ときめき』を感じています」。喜寿を迎えても、自らのなりわいにほれ続けられるとは、何とすてきなことだろう。  漫才コンビ「海原はるか・かなた」が、結成55周年を迎えた。その道のりは順風満帆だったとはいえない。コンテストで結果が出せなかった若手時代。なかなかテレビに出られなかった中堅時代。髪の毛を吹き飛ばすおなじみのギャグで...
三浦小次郎義也 旗本奴の意地 華やかに=小玉祥子

三浦小次郎義也 旗本奴の意地 華やかに=小玉祥子

 江戸時代前期、人目を引く異装で町を闊歩(かっぽ)する男たちがいた。「男達(おとこだて)(伊達)」や「かぶき(傾き)者」などと呼ばれた彼らの中で幕臣の旗本を中心としたのが旗本奴(やっこ)、町人を中心としたのが町奴である。仁義や体面を重んじる両者は町中で角突き合わせることもしばしばあったようだ。  中でも有名なのが町奴の頭領・幡随院長...