国立劇場は9月、「仮名手本忠臣蔵」の二段目と九段目を上演する。いずれも舞台にかかる頻度は他の幕に比べて少なく、2016年に国立劇場開場50周年を記念して忠臣蔵の完全通し上演が行われて以来。特に九段目は名作の誉れ高く、歌舞伎ファンにとってうれしい公演だ。
二段目・九段目ともに、塩冶判官と並んで足利直義のもてなし役となった桃井若狭之助の家臣・加古川本蔵一家と、塩冶判官の家臣・大星由良之助一家が物語の軸となる。九段目の舞台は、由良之助が住む京都・山科の隠居所。雪の日、本蔵の妻・戸無瀬が小浪とやって来る。娘を婚約者である力弥に嫁…
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