運転手側は〈現時点において示談は成立しておりません〉
警視庁代々木署は7月31日、人気音楽グループ『三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE』のメンバー、今市隆二(38)を暴行と脅迫容疑で書類送検した。
今市は4月5日東京都内を走るタクシーに乗車した際、男性運転手を「殺すぞ」などと脅し、腕を引っ張ったり、運転席と後部座席の間のアクリル板をたたいたりしたとしている。運転手にけがはなかったという。
所属するLDHは7月31日『三代目J SOUL BROTHERS 今市隆二に関するご報告』と題したコメントを発表し
〈直ちにコンプライアンス委員会を開催し、本人に対して報酬返上と自宅謹慎を含む厳正な処分を実施いたしました〉
として書類送検と同日に処分をしたことを明かした。さらに
〈本件につきましては、4月中に本人よりタクシー会社様へ謝罪と示談の申し入れを行い、現在、当該会社様との間では既に示談が成立しております〉
としている。
しかし一方で、タクシー運転手側の代理人弁護士であるレイ法律事務所もコメントを発表。
〈被害者のタクシー乗務員が、行先指示や経路を誤った、今市氏の言動に反論や反抗した、今市氏を刺激する言動を行った、今市氏と口論になった、今市氏から接客態度を指摘されたという事実は一切なく、今市氏から一方的に行為を受けました〉
と被害者に落ち度がないことを確認したうえで、
〈今市氏からは、代理人弁護士を通じて、謝罪及び示談提案がありましたが、現時点において示談は成立しておりません〉
とLDHとは異なる認識を示した。
被害者側が“示談が成立していない”と発表しているにもかかわらず、LDH側は“示談が成立した”と発表している。双方の食い違いについてネット上などでは、
〈運転手側の弁護士は示談は成立していないと言っているのに、LDH側はなんで勝手に示談が済んでることにして終わらせようとしてるのか〉
〈示談は成立していない、成立していると何らかの齟齬か、誰かが嘘をついているのか?〉
などと、疑問を呈するコメントが多い。だが、これに関し、
「ウソということではないですよ」
と話すのは、あるLDH関係者だ。
検察が重んじる「処罰感情」は
「コメントにもあるのですが、今市さんはタクシー会社との示談は成立したということ。引き続き運転手さんに対しても、誠心誠意対応しているようです」
つまり、タクシー会社とは示談が成立しており、それをLDH側はコメントとして発表。だが被害者側はまだ納得できない部分があり、運転手個人とは書類送検までの3ヵ月間で示談が成立していないということのようだ。
両者ともウソをついているわけではないが、食い違いを見せたのはそれが理由だ。
そこで、被害者が示談に応じていないことが今後どう影響するのか。『森實法律事務所』の森實健太弁護士によれば、
「運転手本人とは示談は成立していないとありましたが、『今市氏からは、代理人弁護士を通じて、謝罪及び示談提案がありました』とあるので、この点は検察が処分を決める上での考慮要素の一つにはなるかと思われます。また、示談の内容が明らかではないですが、会社とは示談が成立しているとありました。ただ、今回の暴行・脅迫事件の被害者は、会社ではなく、タクシー運転手本人ですので、仮に会社と何らかの示談が成立していたとしても、運転手本人が処罰を望んでいれば、検察は運転手本人の処罰感情を重んじるものと思われます」
と話す。
「LDHは一刻も早く鎮火させたいのでしょう。何の関係もないタクシー運転手に“殺すぞ”と言い暴行したとなれば、タレントとして致命的です。LDHは杉良太郎さんらと共に、EXILE ATSUSHIさん松本利夫さんが警察庁に協力し防犯の啓発活動を熱心に行ってきた。ヤンチャな風貌に見えても、真面目に一生懸命やっていることがカッコイイと、若者にも印象づけてきました。今市さんのように暴行事件は、そうした活動に泥を塗るものですね」(スポーツ紙記者)
プロ野球・福岡ソフトバンクホークスは、8月3日の試合終了後に行われる『鷹祭 SUMMER BOOST』のJSBによる音楽ライブについて、今市を除くメンバーでの出演となることを発表した。仕事面でも影響が出始めており、その代償は大きかった――。
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