林家染太 祖父の思い出落語に 伝える「命の大切さ」

Date: Category:カルチャー Views:2 Comment:0

 いじめを苦に「死にたい」と漏らした孫に、帰還兵だった祖父は「生きていれば、ええこともある」と声を掛けた――。上方落語の林家染太が、戦後80年を迎える今夏の独演会で、祖父との思い出をベースにした創作落語「命のたすき~いじめられっ子の僕とシベリア帰りのお爺(じい)ちゃん~」を口演する。

 物語の主人公は小学生時代の染太。いじめられている友人をかばったことで、いじめのターゲットになってしまい、大好きだった祖父に「死にたい」と相談する。悲しい顔をした祖父は「つらくても、死んだらあかん」と説き、自身の戦争体験を語って聞かせる。

 祖父の新川保さんは、明治薬科大在学中の1943年に学徒出陣し、旧満州(現中国東北部)で終戦を迎えた。旧ソ連軍の捕虜となり、シベリアで抑留生活を経験。捕虜として捕らえられる前、青酸カリで自決しようとしたが、同じ隊にいた友人から「生きていれば、ええこともある。どんなに恥をかいても、ひきょう者でもいいから、生きて日本に帰ろう」と励まされ、強制労働も耐え抜いた。終戦後は薬剤師になり、92歳で亡くなるまで…

Comments

I want to comment

◎Welcome to participate in the discussion, please express your views and exchange your opinions here.