
実は今、フィギュアスケートの分野では競技を根底から揺るがす重大な問題が起こっている。というのも今年に入ってから、フィギュア界では音楽著作権に関する問題が頻繁に発生するようになってしまい、スケーターが演技で使用する楽曲の変更を余儀なくされたり、決して安価ではない楽曲使用料を請求されたりするケースが相次いでいるのだ。音楽なくしては成立しないフィギュアにとって、こうした事態は死活問題であり、業界関係者の間で動揺と不安が広がっている。
私自身、研究者としてまさにこの法的問題に取り組み、これまで著書や記事等で見解を公表してきた。幸いなことに、先日私が企画・出演を務めるJSPORTSの番組にて、著作権法の研究と法務の分野をけん引している福井健策弁護士(骨董通り法律事務所For the Arts代表)と、この問題について議論をさせていただく機会に恵まれた。今回はその議論の成果を記したいと思う。
まずは福井弁護士と共に作成した表をご覧いただこう。…
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