令和の「まお」も年齢制限でミラノ五輪出場かなわず 4カ月足りず

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ジュニア女子SPの演技を終えて会場にあいさつする島田麻央=フランス・グルノーブルで2024年12月5日、猪飼健史撮影 拡大
ジュニア女子SPの演技を終えて会場にあいさつする島田麻央=フランス・グルノーブルで2024年12月5日、猪飼健史撮影

 2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックは、出場するフィギュアスケート選手の最低年齢が15歳から17歳に引き上げられて迎える初めての五輪となる。昨季、ともに世界ジュニアを制し全日本選手権で2位となった男子の中田璃士選手(TOKIOインカラミ)と女子の島田麻央選手(木下グループ)の2人は、年齢制限でミラノ五輪には出場できない。

 現在の国際スケート連盟(ISU)のルールでは、シニア大会に参戦できるのは新シーズンが始まる7月1日時点で、17歳に達している選手だ。ともに2008年生まれの2人だが、中田選手は9月8日生まれ、島田選手は10月30日生まれのため、今季が始まった時点では16歳だった。

 一方、島田選手と同学年で昨季のジュニアグランプリ(GP)ファイナル3位の中井亜美選手(TOKIOインカラミ)は08年4月生まれ。7月1日時点で17歳に達しており、シニア大会への参戦が可能となった。本人はミラノ五輪について「夢から目標に変わった」と意気込んでいる。

 最低年齢の引き上げは、低年齢の選手に対する心身の負担が大きいことなどを理由に22年6月のISU総会で決まった。日本も賛成の立場をとり、23~24年シーズンは16歳、24~25年シーズンからは17歳と段階的に引き上げられた。

 背景には北京五輪で15歳だったロシア女子のカミラ・ワリエワ選手(21年12月25日から4年間の資格停止処分中)のドーピング問題があるとされる。

 当時、ワリエワ選手は世界反ドーピング機関(WADA)の規定で16歳未満の「要保護者」に該当した。そのため、スポーツ仲裁裁判所(CAS)が問題発覚後も出場継続を容認した判断が物議を醸し、年齢制限改定の議論が再燃したという流れだ。

全日本選手権男子SPで演技する中田璃士選手=2024年12月20日、吉田航太撮影 拡大
全日本選手権男子SPで演技する中田璃士選手=2024年12月20日、吉田航太撮影

 昨年12月の全日本選手権で自己最高の2位に入った中田選手と島田選手は、2人とも「次世代のエース」として今季はジュニアながらも「日本一」を視野に入れる。26日にあった強化合宿で取材対応した中田選手は「(優勝を)目標にして頑張ります」と語った。また、ジュニアでは国内外の大会で負け無しの島田選手は「昨年より上の順位がとれたら」と話し、03年大会の安藤美姫さん以来、22年ぶりのジュニア選手優勝へ意欲を見せた。

 年齢制限を巡っては、05~06年シーズンに女子の浅田真央さんが、GPファイナルで初出場優勝を果たすなど国際大会で活躍したが、06年トリノ五輪に出場できなかった。トリノ五輪シーズンが始まる05年7月1日時点で14歳だった浅田さんは、当時のルールでGPシリーズには参加できたが、五輪や世界選手権の出場資格を満たすには87日足りず。当時の小泉純一郎首相までが疑問を呈し、日本スケート連盟はISUに特例での出場を働きかけるなど、社会的に大きな関心を集めた。【倉沢仁志】

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