5日開幕の夏の甲子園、第107回全国高校野球選手権大会は、暑さ対策のために開始時間を午前と夕方に分ける2部制を、前回大会に続いて導入する。
ナイターの試合は増え、照明が点灯するため、日中の試合と比べると、ボールの見えやすさに違いが出るとされ、目の専門家は「見えにくさ」を指摘する。
2024年は開幕から3日間、2部制を導入した。いずれも1日3試合を行う日で、第3試合は午後5時開始(開幕日は午後6時半開始)のナイターだった。
今年は4試合日で初めて導入し、6、7、9、10日の第4試合は午後6時45分開始予定となっている。
甲子園の照明設備は22年春、消費電力を抑えられる発光ダイオード(LED)に切り替わった。
伝統の白とオレンジの2色を混ぜ合わせた「カクテル光線」を維持しながら、明るすぎず黄色がかった温かみのある空間を再現している。
球の見えやすさも追求しているが、眼科医によると、太陽光とは見え方が違ってくる。
日本スポーツ協会公認スポーツドクターで、順天堂大学医学部付属順天堂医院眼科の工藤大介医師は、このように説明する。
「LEDで十分な明るさを担保しても、自然光である太陽光の下でプレーするのとでは照度が違います。目に入ってくる光の量が少なければ、視覚情報処理能力も落ちてしまう」
スポーツ選手向けの専門診療もしている「えだがわ眼科クリニック」(東京都)の枝川宏院長は「目が順応してくるので、野球であれば初めは見づらく感じる速球も回を重ねるごとに慣れてくる」と説明する。【村上正】
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