最低賃金が同じなら… 地方出身女性が田舎に帰る自由を奪う“格差”

Date: Category:速報 Views:2 Comment:0
東京都新宿区の最低生計費の試算を公表する労働団体の記者会見で、最低賃金に近い時給で働き、生活する実態を語る菊地成美さん(左)=新宿区で2025年7月15日午後2時半、東海林智撮影
東京都新宿区の最低生計費の試算を公表する労働団体の記者会見で、最低賃金に近い時給で働き、生活する実態を語る菊地成美さん(左)=新宿区で2025年7月15日午後2時半、東海林智撮影

 「全国の最低賃金が同じなら、古里に帰って働けるんですけどね」

 東京都新宿区在住でスーパーのアルバイトとして働く菊地成美さん(35)は、岩手県や宮城県と県境を接する秋田県東成瀬村の出身だ。

 山深い古里を思うと、胸が締め付けられるような思いにかられる。

 秋田の高校を卒業して、仙台市の調理専門学校に進んだ。1年で調理師の資格を取り東成瀬村に戻ったが、地元は仕事が少ない上に賃金が低い。

 実家は兼業農家だが、亡くなった父は冬は毎年、関東に出稼ぎに出ていた。菊地さんも19歳で東京へ出てきた。

 特に就職のあてはなかったが、仕事の多い東京なら何とかなるかと考えた。最初に住んだ新宿区で、家の近くにあった韓国料理店に仕事を見つけた。店は1年たたないうちに閉店となり、その頃開店の準備をしていた近所のスーパーで働き始めた。

正社員との「格差」

 調理師免許を持っていたこともあり、オープニングスタッフとして採用された。だが、…

Comments

I want to comment

◎Welcome to participate in the discussion, please express your views and exchange your opinions here.