今年のお盆休みは日並びがよく容易に9連休にすることが可能。長期休暇を利用し、海外に出国する人も増えそうだ。旅行大手のJTBも、夏休み期間に244万人(前年比約21%増)が海外旅行に出かけるとの見通しを発表している。
今回は、「海外用eSIM」という新たな選択肢も普及してきた海外での通信手段について解説したい。
海外用Wi―Fiルーターが人気だが……
海外旅行時は普段の通信サービスが利用できないため、何らかの手段を用意する必要がある。その代表例が海外用Wi―Fiルーターのレンタルだ。空港でも受取・返却が可能で手軽に利用でき、家族や友人などと複数人で使えば料金も安くなるため、今でも人気の方法だ。だが、スマホとは別にルーターを持ち運ばなければならず、充電の手間も増えるといったデメリットがある。
そんな中、「普段のスマホをそのまま使える」として海外ローミングの手軽さをPRしているのが大手通信事業者だ。
もともとドコモ、KDDI、ソフトバンクは海外ローミングを提供していたが、当初は1日あたり3000円程度の料金がかかり、普及が進んでいなかった。その後、1日あたり1000円前後まで値下げしたが、海外用Wi―Fiルーターの市場を崩すまでには至っていない。
「海外ローミング無料」の動き
だが最近は、その海外ローミングを無料化する動きも出ている。先がけの一つはドコモの割安料金プラン「ahamo」だ。2970円の月額料金に海外ローミングが含まれており、国内利用分と合算で30GBまでは追加料金がかからない。
2020年に新規参入を果たした楽天モバイルも、海外では2ギガバイト(GB)までのデータ通信が追加料金なし(以降は1GBあたり500円)となっている。ソフトバンクも米国限定(グアム・サイパンを除く)だが海外ローミングが無料だ。
さらに今年は、ドコモやKDDIが一部の料金プランの特典として「海外ローミング無料」を打ち出した。ドコモが6月に開始した容量無制限プラン「ドコモMAX」では、海外ローミングが毎月15日間、無料になる(月30GB超で速度制限)。
KDDIでも「auバリューリンクプラン」や「使い放題MAX+」といった対象プランを契約していれば、毎月1万8000円分(最大22日間)まで海外ローミングを無料で利用できる。
この動きに対抗し、ソフトバンクも8月1日から海外ローミングをキャンペーンで無料化した。「メリハリ無制限+」「ペイトク」といった一部の大容量プラン限定の特典だが、最大で毎月16日間、海外ローミングが0円になる(4日間で12GBなど容量上限あり)。
海外用eSIMの台頭
ただし、こうした無料の海外ローミングは、各社の容量無制限プランなど比較的高額な料金プランが対象の場合…
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