マネードクター運営に改善命令 便宜提供、特定の生命保険を優先案内

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FPパートナーが運営する保険代理店「マネードクター」=東京都内で2025年8月 拡大
FPパートナーが運営する保険代理店「マネードクター」=東京都内で2025年8月

 金融庁は6日、大手保険代理店「マネードクター」を運営するFPパートナー(東京都、FPP)に対し、保険業法に基づく業務改善命令を出したと発表した。多額の広告出稿といった便宜を提供した生命保険会社の商品を優先的に顧客に薦めるなどし、適切な商品選択を阻害した疑いが強いと指摘した。また、損害保険の販売代理店を兼ねる中古車販売大手ネクステージ(名古屋市)にも、自動車保険の不正請求問題への対処や企業統治体制が不十分だとして業務改善命令を出したと明らかにした。

 金融庁の指針では、保険各社の商品を取り扱う代理店は、顧客が自身のニーズにあった商品選択ができるよう複数商品を適切に示すことが求められている。こうした比較推奨を巡る改善命令は初めてだという。

 金融庁によると、FPPは広告出稿や顧客情報の提供など生保側からの便宜供与の実績に応じてその生保の商品を優先的に案内するなどし、特定の保険会社に偏重して顧客に推奨した疑いがあると判断した。また同日、生保8社に対してFPPとの関係などの実態を報告するよう報告徴求命令を出した。

 金融庁は昨年以降、実態を調べるため同社に立ち入り検査を実施。保険商品を提供していた一部の生保も調査していた。生保関係者によると、FPPの要請に応じない場合、生保側に対して間接的に不利益をにおわせるような発言もあったという。代理店販売を重視するある生保社員は「代理店が選ぶ推奨商品に入るかどうかで、商品の売れ行きは全く異なる」と事情を明かした。

 ネクステージは2023年9月、複数の従業員が友人名義で保険契約を捏造(ねつぞう)するなどした不正が確認されたと公表していた。金融庁は今回の処分について、その後の調査や社内処分などが場当たり的で、十分な真因分析や再発防止策の策定に至っていないと批判した。【山口智】

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