大阪府警の警察官2人が家宅捜索中に捜査対象の男性に暴行したとして逮捕された事件で、この男性を含む3人が「スマートフォンの暗証番号の解除を拒否したら、捜査員3~5人から殴られた」と訴えていることが6日、関係者への取材で判明した。府警は他の警察官の関与がないか調べている。
府警は7月15日夜、職業安定法違反事件の捜査で大阪市西区にあるレンタルオフィスを家宅捜索。捜査4課の捜査員を中心に20人以上が参加した。現場には捜査対象の男性が3人いた。
関係者によると、捜査員らは室内で複数のスマホなどを見つけ、暗証番号を聞き出そうとした。男性らは拒否した後、捜査員から暴行を受けたと訴えている。
3人は捜索後に職業安定法違反容疑で逮捕され、接見した弁護士にそれぞれが「3~5人の捜査員から殴られた」と相談。暗証番号を拒否した後、30分以上にわたって顔を平手打ちされたり、髪を引っ張られたりしたなどと当時の状況を説明したという。弁護士は府警に事実関係の確認などを求めた。
府警は室内の防犯カメラの映像を調べ、3人のうち20代の男性1人を暴行した疑いが強まったとして、捜査4課に所属する警部補の時長力(51)と巡査部長の阪口裕介(32)両容疑者を特別公務員暴行陵虐容疑で逮捕した。
事件では3人を含む計4人が逮捕されたが、府警は捜索時に違法行為があったとして全員を釈放している。
時長容疑者は「殴打したという認識はない」と否認し、阪口容疑者は容疑を認めている。【木島諒子、川地隆史】
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