福岡・八女に持ち帰られた広島原爆の残り火 「永遠にともし続ける」

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平和の火をともす「平和の塔」の前で献花する星野中学校の生徒ら=福岡県八女市星野村の「星のふるさと公園平和の広場」で2025年8月6日午前9時10分、谷由美子撮影 拡大
平和の火をともす「平和の塔」の前で献花する星野中学校の生徒ら=福岡県八女市星野村の「星のふるさと公園平和の広場」で2025年8月6日午前9時10分、谷由美子撮影

 広島原爆の焼け跡の残り火を「平和の火」としてともし続ける福岡県八女市星野村の「星のふるさと公園」で6日、平和祈念式典があり、約250人の参列者が核兵器廃絶と恒久平和実現への思いを新たにした。

 火は、第二次世界大戦中に広島県内で兵役に就いていた旧星野村出身の故山本達雄さん(2004年死去)が、被爆直後の広島市内で、書店を営んでいた叔父の遺骨代わりに懐炉に入れ持ち帰った。山本さんが23年間、自宅で守った火を旧村が1968年に受け継いだ。

 簑原悠太朗市長はあいさつで「火は市民の平和祈願のシンボルとして永遠にともし続けていく」と決意を表明。また長崎で被爆した、福岡県原爆被害者団体協議会の中村国利会長(81)は「生きている限り、被爆の悲惨さと戦争の愚かさを伝え、美しい地球のまま未来の子どもたちに引き継ぐ」と語った。

 式典には地元の子どもたちも出席。代表して「平和の誓い」を述べた星野小学校6年の山口明莉(あかり)さんは、山本さんが当初は人々の命を奪った「憎しみ、うらみの火」と考えていたが、「争いのない世界」を願って「平和を願う火」へと変化した経緯など、山本さんの息子、拓道(たくどう)さん(75)から聞き、学んだ内容などを紹介。そして「平和について考え続ける」ことや、「一人一人を認め合い、仲良くする」という「身近な私たちの平和」を守ることから始めることを誓った。

 式典は、星野中学校の全校生徒約30人が「この灯(ひ)を永遠(とわ)に」を合唱して締めくくった。【谷由美子】

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