トランプ米大統領は26日、国境紛争で交戦が続いているタイとカンボジア両国の首脳とそれぞれ電話で協議し、双方が停戦協議の開始に合意したことを明らかにした。自身のソーシャルメディアに投稿した。
投稿によると、トランプ氏はカンボジアのフン・マネット首相、タイのプンタン首相代行の順に個別に協議し、双方が即時の停戦を望んでいることを確認。改めてカンボジア側に電話して内容を伝えたとし、「両国は直ちに会談を行い、迅速に停戦合意をまとめ、最終的に平和を実現することで合意した」と発表した。
トランプ氏の仲介を受け、タイのプンタン氏はフェイスブックを通じ、「原則として停戦に同意すると伝えた」と表明しつつも、「カンボジア側からの誠意を見たい」とくぎを刺した。さらに、タイが2国間対話を早急に開催したい意向もトランプ氏を通じて伝えたという。
一方、カンボジアのフン・マネット氏もフェイスブックに「トランプ氏に停戦協議に合意する意向を伝えた」と投稿。「タイ側が立場を変えないことを願う」と強調した。
ただ、27日も両国の戦闘は続いており、事態の沈静化には至っていない。タイ外務省は27日、「現時点ではカンボジア側の攻撃が続いており、誠意が見られないと評価している」と述べ、カンボジアの攻撃停止まで停戦に応じない姿勢を示した。
英字紙「クメールタイムズ」によると、カンボジア国防省報道官も「タイ軍が27日朝にカンボジア領内を攻撃し、戦闘を激化させている」と非難しており、双方の主張は対立している。
トランプ氏は両国との協議の中で、それぞれとの貿易交渉を持ち出し、「どちらの国とも、戦争が続いている限り、いかなる合意も結ぶつもりはない。その旨を明確に伝えた」という。【ワシントン西田進一郎、バンコク国本愛】
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