「私たちは無知だった」 世界初の核実験から80年目の救済 米西部

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トリニティ実験が行われた当時を振り返るルーシー・ベナビデス・ガーウッドさん=米西部ニューメキシコ州トゥラローサで2025年7月17日、八田浩輔撮影
トリニティ実験が行われた当時を振り返るルーシー・ベナビデス・ガーウッドさん=米西部ニューメキシコ州トゥラローサで2025年7月17日、八田浩輔撮影

 「今年で93歳だが、あんなに大きな『ドーン』という音は後にも先にも聞いたことがない」

 米西部ニューメキシコ州の小さな集落トゥラローサ。80年前の「あの日」の早朝、13歳だったルーシー・ベナビデス・ガーウッドさんは自宅で寝ていたところ、すさまじい音と揺れで目を覚ました。食器棚の皿がカタカタと音を立てていた。驚いて家の外に飛び出した母親は辺りを見渡し、「何も見えない」とつぶやいて戻ってきた。

 ラジオ放送は、米軍基地の弾薬庫で爆発があったと伝えていた。「安全だから心配しないでほしい」という内容も含まれていたとガーウッドさんは記憶する。「いま思えば、政府がそう説明するよう指示したのかもしれない。私たちは何も知らず、いつも通りの生活を続けた」

極秘の計画

 実際には、それは人類が自らを絶滅させかねない時代への扉を開けた瞬間だった。1945年7月16日午前5時29分45秒(現地時間)。トゥラローサから北西に約80キロ離れた砂漠の真ん中で、世界初の核実験が行われた。第二次世界大戦中に米国が極秘で進めた原爆開発プロジェクト「マンハッタン計画」が最終段階を迎えていた。

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