世界初の核実験 米住民の闘い 今も根を張る「核帝国」植民地主義

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笑顔を見せるティナ・コルドバさん(中央)=米西部ニューメキシコ州トゥラローサで2025年7月16日、八田浩輔撮影
笑顔を見せるティナ・コルドバさん(中央)=米西部ニューメキシコ州トゥラローサで2025年7月16日、八田浩輔撮影

 米西部ニューメキシコ州で1945年7月16日に実施された世界初の核実験「トリニティ」の風下住民やその家族が補償を勝ち取った運動の中心となったのは、一人の女性だった。ティナ・コルドバさん(65)。彼女も爆心地の南東約80キロにある小さな集落トゥラローサで育った。

がんを患った親族

 祖母は当時のことをよく覚えていた。「あの日」の早朝は、明るい光の後にごう音が響いた。それから数日かけてちりが家の中に入り込み、掃除が追いつかなかったほどだったと聞いた。当時は多くの家庭が暑さをしのぐため、窓を開けてぬらしたシーツをつるしていたという。

 爆発時に4歳だった父や、周辺で暮らしていた親族の多くが後にがんを患った。コルドバさん自身も30代で甲状腺がんを経験し、核実験の影響を疑った。因果関係は不明だ。広島と長崎の被爆2世の健康影響調査では、がん発生率や染色体異常の増加は認められていない。ただ、多くの2世が健康に不安や悩みを抱える。

取るに足らない存在

 2005年に健康被害と補償を訴える住民団体を設立した。「最初は、誰も私たちの話を聞きたがらなかった」。それでも州内各地で小規模の集会を毎週のように開き、連邦議会にも働きかけた。

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