「加害の歴史」展示のあり方は…更新に向け議論続く 長崎原爆資料館

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長崎原爆資料館に展示されている日中戦争と太平洋戦争の年表=長崎市で2025年8月3日午後1時36分、樋口岳大撮影
長崎原爆資料館に展示されている日中戦争と太平洋戦争の年表=長崎市で2025年8月3日午後1時36分、樋口岳大撮影

 被爆地・長崎市にある原爆資料館が、1996年の開館から約30年を経て展示内容の更新を計画している。80年前の原子野の実相や戦争の事実を伝え、平和の願いを発信する公立施設としてどう充実を図るか。焦点の一つになっているのが、米軍が原爆を投下する前の、日本による戦争の加害に関する展示のあり方だ。

 「世界に核兵器廃絶を訴えるために、日本の侵略戦争の加害の部分を薄めないでほしい」。7月22日に今年度初めて開かれた資料館運営審議会。委員の一人で、ノーベル平和賞を受けた日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)代表委員などを務める被爆者の田中重光さん(84)=長崎市=は展示更新に関し、こう語気を強めた。

 現在の資料館は、原爆被害の実相を伝えるものとして、被爆前後の長崎の写真や、熱線で溶けた瓶、全身に大やけどをした被爆者の体の写真などを展示している。

 併せて45年8月9日の原爆投下に至るまでの年表も展示。1894~95年の日清戦争から、日露戦争、日本による朝鮮半島の植民地支配、第一次世界大戦、日中戦争、太平洋戦争と続き、日本の敗戦までの出来事をたどる。旧日本軍による南京大虐殺(南京事件)については年表に「1937年12月、南京占領、大虐殺事件おこる」と表記するなどしている。

 展示内容は開館当初からこれまで大きく変わっていない。一方、30年近くが経過し、戦争を「遠い時代」と感じる世代が増えていることなどを踏まえ、…

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