大相撲夏巡業の古河場所が7日、茨城県古河市下大野のイーエスはなもも体育館で、3年ぶりに開催された。満員御礼となった約2300人の相撲ファンは、阿見町の二所ノ関部屋に所属する横綱・大の里らの真剣勝負を楽しんだ。子ども力士の挑戦を受けるちびっこ相撲や相撲甚句など、普段は見られない力士の笑顔に歓声を送った。
力士106人が参加。県内出身は、三段目・悠錦ら古河出身の3人とつくば市出身の序二段・筑波山の計4人。
25歳の悠錦は、ぶつかり稽古(げいこ)で初めて大関・琴桜の胸を借りた。「遠足のような気分。客席には知り合いもいて、応援してくれてうれしかった。大関は筋肉の壁みたいで怖かった」と笑顔で話した。17歳で入門し、9月の秋場所からは幕下に昇進する見通し。「スポーツの経験がなくても頑張れば強くなれることを子どもたちに伝えたい」と語った。
ちびっこ相撲には、地元スポーツ少年団などの園児から中学生まで20人が参加。力士にひょいと持ち上げられたり、力士をごろりと投げ飛ばしたり。市立古河四小4年の加藤陽翔さん(10)は大の里のファン。横綱・豊昇龍と対戦し、「あっという間に終わってしまった。でも楽しかった。将来は強い力士になりたい」と話した。
横綱昇進後、初の茨城凱旋(がいせん)となった大の里の土俵入りには、一段と大きな拍手が送られた。牛久市や龍ケ崎市で育った師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は「茨城は相撲どころ。茨城出身の強い力士を育てることが夢」と語った。【堀井泰孝】
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