菊池雄星(米大リーグ・エンゼルス)、大谷翔平(同・ドジャース)、西舘勇陽(プロ野球・巨人)、佐々木麟太郎(米スタンフォード大)……。
夏の甲子園に3年連続13回目出場の花巻東(岩手)では、歴代の有望選手が下級生の時に「背番号17」を付けてきた。高校野球ファンは「出世番号」と呼び、大会前には「誰が17をもらうか」が話題を呼ぶ。
「17」が出世番号になったのは……
そもそもは、2001年に就任した佐々木洋監督(50)の「好きな数字」だった。
07年夏に1年生投手として背番号17を背負って甲子園で投げた菊池は、3年時はエースナンバーの背番号1。春に準優勝、夏も4強入りして、西武入団時から4年間「17」を付けた。
大谷は2年の夏と3年の春に出場した甲子園では背番号1だったが、1年夏に付けた「17」を渡米時に選んだ。エンゼルスに入った18年シーズンから現在まで同じ番号で、今や「大谷といえば17」のイメージだ。
今回、背負うのは
今大会の背番号17は左腕の万谷堅心(まんやけんしん)投手(2年)に決まった。昨秋の県大会、東北大会、今春の県大会に続いて4度目の「17」だ。
「14」を付けた今春のセンバツでは3試合全てに登板し、8強入りに貢献。今夏の岩手大会も「14」で、決勝の先発を任されて完投した。
「投打において非常にセンスがある。投手に専念させているが、本来野手としてスタメンで起用したい選手」と佐々木監督の期待も大きく、指名打者(DH)制が導入される来春からは「二刀流」も視野にある。
花巻東は8日の1回戦で、今春準優勝の智弁和歌山を4-1で破った。万谷投手は試合前「雄星さんと翔平さんが付けていた番号なので、当然意識している。先輩たちに恥じない投球をしたい」と話した通りの力投で完投した。
ボール球が先行し、序盤は苦しい場面が続いたが、尻上がりに調子を上げた。佐々木監督には「相手は強豪。何点取られてもいい」と事前に言われていたといい、万谷投手は「スライダーを中心に変化球でタイミングをずらして、内野ゴロを打たせることができた」と胸を張った。【早川健人】
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