剣道の千葉県代表チーム(男子)はこの1年間で全国大会を2度制覇し、快進撃が続いている。監督を務めた県警剣道主席師範の染谷恒治さん(59)や中心選手は、実力のある選手が集まったことに加え、「チームワークがいい」と語る。
今年4月に開かれた全日本都道府県対抗剣道優勝大会で、千葉代表は茨城代表を降して初優勝を果たした。
この大会は、選手7人の団体戦。千葉の大将は、04年に全日本剣道選手権大会(個人戦)を制覇した県警剣道師範の鈴木剛さん(53)が務めた。
他にも強豪実業団チームの大将クラスや、全国大会に出場経験のある高校生や大学生など実力者が並んだ。県剣道連盟の強化委員長でもある染谷さんらが候補者に声をかけ、選考会で戦わせてメンバーを決めたという。
ただ、「今年が特別ではなく、毎年強い選手は選ばれている」と染谷さん。勝因には、選手のレベルの高さだけではなく、先鋒(せんぽう)や次鋒(じほう)の若手が粘って、後ろの中堅やベテランにつないだことを挙げる。試合中に染谷さんは何度も「勝負に行っていいよ」と高校生や大学生を鼓舞した。
一方、大将の鈴木さんは「メンバーは県内出身の顔見知りで、チームワークがあった」と話す。鈴木さんは相手に1本取られた際に「取り返したい」と欲が出たが、仲間の「大丈夫」というかけ声を聞いて冷静になったという。「団体戦を勝ち抜くには心の動きも大事だ」と話す。
24年9月に開催された国民スポーツ大会・成年男子では、県警職員中心にチームを編成。大阪代表を破り、14年ぶり3度目の優勝を果たしている。
25年度で県警の定年を迎える染谷さんだが、引き続き県剣道連盟で剣道に関わる。「二つの大会で優勝し、良い流れができた。次の世代につなげて、さらに強い千葉を作りたい」と意欲を見せた。
【林帆南】
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