幼稚園のクラスルーム 戦時中は将校集会所 新宿・戸山教会

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戸山教会の中に残る将校集会所跡。現在は幼稚園のクラスルームとして使用されている=東京都新宿区で2025年7月8日、西夏生撮影
戸山教会の中に残る将校集会所跡。現在は幼稚園のクラスルームとして使用されている=東京都新宿区で2025年7月8日、西夏生撮影

 東京・新宿の戸山公園内にある「戸山教会」。緑の木立がうっそうと茂り、白亜の建物が映える。その土台となる重厚な石造りの部分に、戦争の記憶が刻まれている。

 園内には明治の初めから、銃剣術や軍刀術を教えていた陸軍戸山学校の施設が複数あった。現在も残る石造りの部分は当時、将校集会所だった。2階建ての立派な建物だったが、1945年3月10日の東京大空襲で1階の一部を残して焼け落ちてしまう。

 敗戦後、GHQ(連合国軍総司令部)が住宅難の救済策として、陸軍戸山学校跡地に約1000戸の「戸山ハイツ」を建設。戸山教会は50年に住民たちの信仰の場として、焼け残った1階部分を基礎に建てられた。

 旧将校集会所は現在、幼稚園の教室として使用されている。壁には園児が描いた絵がにぎやかに飾られ、当時の面影を感じることは難しい。

 一方、日ごろ物置として使われている階段下のスペースには、当時の将校が書いたと伝えられる「本来無一物」「不倒」などという文字が残り、往時の雰囲気を醸し出している。【西夏生】

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