私たち四博士は小さな船の船長の長旅を口々にねぎらい、たくさんの料理でもてなしました。もてなしと言っても、四博士といえど、根っからの研究者です、そんな気の利いたことはできません。それでも小さな船の船長は、満足そうではありました。
私たちは、私たちの知り得る世界の秘密を詳(つまび)らかに彼に説明しなければなりませんでした。自分たちが解き明かした世界の真実に、私たちは自信がありましたが、実際にそれが真実であると、小さな船の船長に感じていただかなければいけません。私たちが彼にこれから頼まなければならないことを考えると、それはむしろ前提条件とでもいうべきものでした。わかってもらえなければ、そしてその上で危機感を共有できなければ、彼に私たちのお願い…
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