福山雅治 故郷・長崎でクスノキ唱 80年目の8・9 被爆地に立ち続ける姿に込めたメッセージ

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 歌手の福山雅治(56)が9日、NHKの音楽番組「MUSIC GIFT2025〜あなたに贈ろう 希望の歌〜」に故郷の長崎市から中継で出演した。長崎スタジアムシティHAPPINESS ARENAで、4万5000人の応募から選ばれた5000人の合唱隊やオーケストラとともに、楽曲「クスノキ−500年の風に吹かれて−」を熱唱。長崎市に原爆が投下されてからちょうど80年という節目のタイミングで、自らの地元から平和への祈りを歌声に込めた。

 優しくて力強い歌声に、5000人の声が共鳴する。福山が立ったアリーナの中心から、より平和な世界の創造への思いを込めた歌声が波紋のように広がっていった。

 「クスノキ−」は、樹齢600年とも言われる市内に現存する被爆クスノキを題材に、14年発売のアルバムに収められた楽曲。福山が込めた思いは反戦の訴えや核廃絶ではなく、原爆の熱線を浴び「70年は草木が生えない」とも言われた土地に立ち続け、被爆から時間をかけずに新芽をつけるクスノキに見る「生命の尊さとたくましさ」という普遍的なメッセージだ。

 この日はまるで長崎市全体が「クスノキ−」を合唱しているような1日となった。番組出演前に取材に応じた福山は、平和祈念式典での小学生による合唱に「テレビ視聴でしたが、歌声の力強さ、心と体、本当に体全体を使って歌ってくれていた。強く響きました」と深く感動。「児童たちは11歳や12歳。楽曲と時を同じくしてこの世に生を受けた児童たちが、戦後80年のこの日に歌っている。楽曲の成長と彼らの成長とシンクロして泣いてました」と語った。

 また中継会場に隣接したスタジアムでのサッカー「V・ファーレン長崎 平和祈念マッチ」の試合前セレモニーにも登場。サポーターが「クスノキ−」を合唱するとサプライズでピッチに姿を見せ「サッカーというスポーツで存分に戦える、試合が開催できることは平和な一日。今日という日を思い切り楽しみましょう!」と呼びかけた。

 さらに市内の長崎県美術館では、福山自ら作成を依頼した画家・junaida氏の絵画が特別展示が開催中。また、その絵をモチーフにしたラッピング路面電車も9日から運行がスタート。さまざまな形で思いは広がっていく。

 被爆2世であることを公言している福山。被爆者の高齢化などが進む中、長崎出身のアーティストとして「被爆2世だと当たり前に伝えていける。そういったメッセージや環境作りを、音楽、エンターテインメントを通じて発信していきたい」と使命感を口にした。

 ◆「被爆クスノキ」は山王神社の境内に佇む、2本の大きなクスノキで、爆心地からわずか800メートルほどの距離で被爆。原爆投下直後にはすべての葉が焼け落ちるなどしたが、わずか2カ月足らずで新芽が芽吹いたという。

 同神社の舩本貴之・禰宜(ねぎ)は「復興のシンボルのようなものでもある」と語る。現在は市内の小学生たちが夏休みの課題の一つとして訪れるなど、地元の人々にとっては身近な存在で「平和を発信する上でも(樹木)重大な使命があると思います」とした。2020年からは被爆樹木を平和発信に活用する「長崎クスノキプロジェクト」が立ち上がり、福山は総合プロデューサーを務めている。

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