能登半島地震(2024年元日)と能登半島豪雨(24年9月)で被災した石川県で、軽トラックなどを無償で貸し出す被災地支援を続けている日本カーシェアリング協会(本部・宮城県石巻市)が、石川県七尾市にある臨時拠点を常設化するための資金の寄付を募っている。被災家屋の公費解体が本格化し、軽トラなどの需要は依然として多い。協会は「復興のため、息の長い活動をしたい」と協力を求めている。
協会は地震発生から間もない24年1月15日に七尾市で支援活動を開始。寄付された軽トラックや乗用車などを、被災で車を失った住民用やボランティア活動用として無償貸与してきた。これまでに最多で県内9拠点を構え、現在も七尾、珠洲、輪島、能登の4市町を拠点に活動を続けている。
今年1、2月は貸与の申し込みが少なく、支援活動を8月末で終える予定だったという。だが、春になって雪解けが進むと共に復興活動が活発化。さらに公費解体が増えて軽トラなどの需要が高まった。このため協会は、珠洲を除く3拠点を今年末まで継続させることにした。
さらに協会は、石川県内の活動の中心となっている七尾市の拠点について、来年以降も存続させたい考え。現在は、震災直後から休館していた和倉温泉お祭り会館を借りた臨時拠点だが、会館は8月に再開した。このため別の場所に移転し、常設拠点として活動を続けようと物件を探している。
活動には、拠点維持費だけでなく、車検費用や自動車保険、自動車税など多くの費用が必要だ。だが、災害から時間がたつにつれて民間が実施していた支援団体への助成制度は縮小、廃止されており、移転や常設拠点の維持・運営の費用は寄付で賄うしかない。協会は「被災から時間がたって心の整理がつき、やっと片付けようと思い立つ被災者もいる。車の貸し出しがなくなると復興が遅れかねない」と話している。
寄付の受け付けはクラウドファンディングサイト「READYFOR」で。【荒川基従】
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