
日本のサッカーカメラマンの草分け的存在である今井恭司さん(79)は、10日に死去した元日本代表の釜本邦茂さんと深い縁がある。長年のキャリアでたった2度しかない、カメラへの「被害」を食らった相手が釜本さんだった。
「ずっと釜本さんの後を追いかけて撮影してきた。胸に穴が開いたような気持ち。必ず点を取ってくれる、頼りになるストライカーだった」
釜本さんの訃報を受けた気持ちを率直に語った。
今井さんは1972年から日本代表戦を取材する。既に68年メキシコ・オリンピックで得点王という実績のあった釜本さんを「オーラがあり、声をかけるのも最初は怖かった」と振り返る。
当時のサッカーは国内ではマイナースポーツで、日本代表とはいえ取材者が自分一人だけという現場も多かった。互いに打ち解け合うと、釜本さんのちゃめっ気にあふれた素顔が見えてきた。
試合前、度々こんな「ゴール予告」をすることもあった。
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