広陵に爆破予告 異例の出場辞退決断 SNSに翻弄され 夏の甲子園

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出場辞退を表明し、報道陣からの質問に答える広陵の堀正和校長=兵庫県西宮市内で2025年8月10日午後1時28分、岩本一希撮影 拡大
出場辞退を表明し、報道陣からの質問に答える広陵の堀正和校長=兵庫県西宮市内で2025年8月10日午後1時28分、岩本一希撮影

 第107回全国高校野球選手権大会に出場していた広陵(広島)の暴力事案を巡る騒動は、異例の結末を迎えた。7日に1回戦を突破しながら、学校側は10日に大会本部に出場辞退を申し入れた。春夏の甲子園で、不祥事に端を発した問題による大会中の出場辞退は史上初という事態となった。

 交流サイト(SNS)上で先行して拡散される情報により、対応する学校側も大会本部も翻弄(ほんろう)され続けた。

 10日に報道陣の取材に応じた大会会長の角田克(つのだかつ)・朝日新聞社社長は「スピード感を持ってSNSは進んでいくので、そのスピード感に対応できる態勢作りを真剣に考えなければいけない」と語った。真偽が分からない情報もある中で出場辞退に追い込まれる形になり、SNS時代の対応の難しさを浮き彫りにした。

 日本高校野球連盟が事態について初めて言及したのは5日夜。野球部に対して3月に厳重注意したことを明らかにした。

 日本学生野球憲章に基づく「注意・厳重注意および処分申請等に関する規則」では厳重注意は原則、公表しないと定められている。日本高野連の井本亘事務局長は「我々は規則に基づいた形で広く一般のみなさんにはお知らせしていなかった。隠していたわけでなく、ルールに基づいている」と説明する。

 1回戦前日の6日には学校が暴力事案を初めて公表したが、既にSNS上には部員個人やチームを攻撃するような投稿があふれ、収束の見通しがたたないまま初戦を迎えた。大会本部はこの日、新たな事案の存在にも言及した。

 大会副会長の宝馨・日本高野連会長は「できれば試合をする前に辞退になれば良かったが、試合当日に新たなことが発覚したので、試合はやらざるを得なかった」と明かす。

 学校によると、学校が爆破予告を受けたり、生徒が登下校で追いかけられたりする事態に発展。学校側は生徒や関係者の安全や大会運営への影響を懸念し、出場辞退を決断した。暴力事案そのものが辞退理由ではない、異例の形になった。【長宗拓弥】

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