豪雨の地元に届けた初白星 東海大熊本星翔エースの力投 夏の甲子園

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【東海大熊本星翔-北海】東海大熊本星翔の先発・水野=阪神甲子園球場で2025年8月11日、岩本一希撮影 拡大
【東海大熊本星翔-北海】東海大熊本星翔の先発・水野=阪神甲子園球場で2025年8月11日、岩本一希撮影

高校野球・夏の甲子園1回戦(11日)

○東海大熊本星翔10―7北海(南北海道)●

 試合前夜、不安になって、地元の母にLINE(ライン)でメッセージを送った。

 「雨、大丈夫?」

 東海大熊本星翔のエース右腕・水野右京の地元は熊本県合志(こうし)市。線状降水帯の影響で、10日夜に記録的な大雨が降っていた。

 家族の無事が確認でき、ほっとした。地元の友達からも次々と「頑張れよ」とメッセージをもらった。

 「よし、やってやろう」。気持ちを奮い立たせ、先発のマウンドに上がった。

 緩急を付けたピッチングが持ち味だ。130キロ前後の直球に、100キロ台のチェンジアップ、時折バックスクリーンに球速表示が出ないほど遅いカーブを織り交ぜる。

 「大きな曲がりで(打者の)目線を変えられるし、一番は、真っすぐを速く見せられる」

 その言葉通り、序盤は緩い球でタイミングをずらし、直球で詰まらせた。

 だが、3―0で迎えた五回、その真っすぐを捉えられる。「甲子園の緊張もあって、ボールが指にかかっていなかった。低めに制球できなかった」

 この回に5本の長短打を浴びて追いつかれ、五回途中3失点で降板。「投げきりたかった」と悔いは残ったが、勝ち越しは許さずに後半の猛攻につなげた。

 中学の時からチームメートだった左翼手の大賀星輝(としき)に誘われ、地元の東海大熊本星翔に進んだ。チームは甲子園で勝ったことがなかった。自身が1年生だった2023年も、夏の甲子園の1回戦で敗れた。

 「だから、絶対1勝してやろうっていう気持ちでした。(この試合で)勝った瞬間も、みんなでめちゃくちゃ盛り上がって」

 この日、応援団の一部は大雨の影響で甲子園に到着できなかった。実際に九州地方で被害も出ている。

 そんな中、出場4回目で手にした春夏通じた甲子園初白星は、地元の人たちを元気づけただろう。【深野麟之介】

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