東京GBの今橋祐希が「お調子者」を演じる理由 セッター流/5

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ジェイテクト愛知戦で得点して左拳を突き上げる東京グレートベアーズの今橋祐希選手。選手の輪の中央にいることが多い=東京・代々木第2体育館で2024年11月10日、玉城達郎撮影
ジェイテクト愛知戦で得点して左拳を突き上げる東京グレートベアーズの今橋祐希選手。選手の輪の中央にいることが多い=東京・代々木第2体育館で2024年11月10日、玉城達郎撮影

 味方のスパイカーが得点を決めれば、ニヤニヤしながら打ち方をまねる。サービスエースを決めた選手がいれば、本人よりも大きく拳を突き上げ跳びはねる。

 バレーボールSVリーグ男子・東京グレートベアーズ(東京GB)の今橋祐希選手(24)は、自他共に認める「お調子者」だ。

 「むかつくこともそりゃありますよ。でも、スパイカーが喜んでいるのを見るとうれしいんですよね」

 失点したときも暗い表情は見せず、時には笑顔や変な顔を披露して場を和ます。

 「元々、こんな献身的な性格じゃなかったんですけど、だんだんそっちに寄っていってます」

 入団2年目だった昨季は正セッターの座を射止め、日本代表にも今年初めて選出された。

 今橋選手の考え方の基礎は、少年時代のある負け試合が形作った。【森野俊】

 バレーボールは、日本の「和」の精神を想起させます。華やかなスパイクは試合の華ですが、ボールを拾い、つなぐ選手たちがいて、歯車がかみ合います。
 「セッター流」では、チームの司令塔役の生き様に迫ります。=随時掲載
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 4:国士舘大・竹松魁柊、バレー日本代表入りの「伏線」

「安心して託せるので」

 パリ・オリンピックに出場するなど実績豊富なセッター深津旭弘選手(38)を擁する東京GBにあって、今橋選手は昨季開幕から先発出場の機会を増やした。

 正確かつ大胆なトス回しでスパイカー陣を操り、チーム初となるリーグ上位6チームによるチャンピオンシップ(プレーオフ)進出に貢献した。

 躍進の理由を本人はどう分析するのか。

 「グレートベアーズのスパイカーが試合ごとに強くなっているからですかね。安心して託せるので、僕はチームから求められていることをやるだけと、シンプルに考えられるようになりました」

 クイックの多用やチャンス時のツーアタックなど、派手なプレーが目立つ選手だが、自身の話は出てこない。理由がある。

 「正直、調子がいいときは自分のトスは相当いいと思っています。でも、どこまでいっても他の選手が拾ってくれないと僕はトスを上げられないし、僕がトスを上げてもスパイカーが打たなければ点は取れない。人のおかげで自分が成り立っていると思っています」

「怒って終わって何が残る」

 バレーを始めたのは小学5年。どんなに小規模な大会でも、負けるたびに泣くほどの負けず嫌いだった。

 地元・福岡県古賀市の市立古賀北中に進むと、部活動と並行してクラブチームにも所属し、バレー漬けの日々を送った。

 中学のバレー部に入部した同級…

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