○ヤクルト9―4DeNA●(11日・神宮球場)
軽く振ったように見えたが、打球の勢いと飛距離は抜群だった。ヤクルトの4番・村上宗隆が、3―0の三回、右翼スタンドに今季4号となるアーチをかけた。
直前に内山壮真が自己最多となる7号2ランを放った直後だった。1ストライクから、外角低めに来たスライダーをうまく拾って、バットの芯に乗せた。「どさくさに紛れて打つことができた」と振り返った。
日本球界屈指の強打者だが、この一打は決してフルスイングではなかった。本人も「そんなに(力を込めて)振らなくても、(スタンドに)入るんだなという感じ」と、手応えを感じていた。
前を打つ内山は進境著しい。村上が7月に復帰するまで、ヤクルト打線における数少ない長距離打者として踏ん張っていた。村上も「今、打線として、すごく機能している。それに僕も負けないように打てればと思ってます」と、後輩の活躍に刺激を受ける。
村上の出身地・熊本では今、大雨による被害が広がっている。かつて、九州学院高2年だった2016年には熊本地震を経験。プロ入り後も熊本城復興のために寄付するなど古里思いだ。
「もう、無事を祈るだけです」と心を痛めながらも、必死のプレーを続けている。【岸本悠】
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