「トランプ氏は理不尽、中国は攻撃的」 日本と似たインドの悩み

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米国のトランプ大統領(右)とインドのモディ首相=米ワシントンで2025年2月13日、ロイター
米国のトランプ大統領(右)とインドのモディ首相=米ワシントンで2025年2月13日、ロイター

 トランプ米大統領がロシア産原油の輸入を続けるインドに高関税を課すと表明したことで、米印の関係悪化が鮮明になっている。貿易交渉でも合意に至っておらず、米国の強硬姿勢にインドは強く反発している。中国に対抗する上で共通の利害があり、緊密な関係を築いてきたが、互いに譲らぬ姿勢を示す中、米印関係はどこへ向かうのか。インドのシンクタンク「オブザーバー・リサーチ財団」副代表のハーシュ・パント氏に聞いた。

 ――現在の米印関係をどのように捉えていますか。

 ◆過去数十年にわたって苦労して築き上げてきた米印関係は、悪化の一途をたどっている。今起きていることは、今後の2国間関係のあり方に長期的な影響を与える可能性があり、憂慮される局面だと言える。

 両国関係の悪化は構造的な問題というよりも、トランプ氏の個人的な性格に起因していると思われる。

 貿易交渉は当初順調に進み、早期合意に至るという楽観的な見方が広がっていた。ただ、政治的にデリケートな農業分野の交渉は、インドは市場アクセスを認めることに若干の抵抗を示し、行き詰まっていた。

 5月にはインドとパキスタンの軍事衝突が起きた。トランプ氏は、印パ間の停戦について「実現させたのは自分だ」と主張し、(国際社会や第三国の印パ対立への関与を望まない)インドを失望させた。インドは対米交渉で立場を硬化させ、トランプ氏も次第に交渉のペースに不満を募らせていった。

 トランプ氏は、ロシア(の原油購入)やパキスタンの問題を利用すれば、合意に至らせることができると考えているのだろう。…

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