インド最高裁は11日、デリー首都圏にいるすべての野良犬について、当局が設置する保護施設に移送するよう命じた。地元メディアが報じた。インドでは犬のかみつきや狂犬病による死亡事例が多発しており、裁判所は対策が急務だと判断した。
報道によると、インドでは2024年の1年間で約370万件の犬のかみつき事案が発生し、54人が狂犬病の疑いで死亡した。子どもや高齢者の被害が目立っており、最高裁は「問題に対処するため、直ちに対策を講じる必要がある」と主張している。
対象地域は首都ニューデリーや近郊のグルガオンなど。最高裁は当局に対し、8週間以内に野良犬約5000匹を収容できる保護施設を創設し、犬の不妊手術や予防接種を行うため十分な人員を配置する必要があるとも指摘している。野良犬の捕獲をどう行うかは当局に委ねるという。
地元メディアによると、デリーには約100万匹の野良犬がいるとされ、「すべてを捕獲するのは現実的ではない」との声が上がっている。【ニューデリー松本紫帆】
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