第107回全国高校野球選手権大会の大会本部は11日、第1~5日の選手や観客の熱中症疑いの件数などを公表した。
開始時間を午前と夕方に分ける2部制を含む計15試合のうち、選手の熱中症疑いは計8件あり、昨年の開幕から5日間(計17試合)と比べ12件減少した。観客の熱中症疑いは19件で、前年比で52件減った。
昨年は開幕から3日間の3試合日で2部制を導入した。昨年に比べ、各試合前の平均気温が2度低かった影響も大きいが、気温が上がる時間帯を避けたことで、熱中症対策に一定の効果がみられた。
一方、午前、夕方ともに約5時間半の間に2試合ずつを行うため、スピーディーな運営が求められる。雨による中断があった場合は継続試合となる可能性が一気に高まり、「雨に弱い2部制」という課題が浮き彫りになった。
特に影響が出たのが、第4日の夕方の部だった。
第3試合は雨により67分間、中断した。そのため、第4試合の高知中央―綾羽(滋賀)の開始時刻は午後7時49分。午後10時を過ぎると原則、新たなイニングに入らないため、継続試合となる可能性がある中で始まった。
試合は九回を終えて2―2と決着がつかず、その時点で午後10時を過ぎていた。大会本部の判断でタイブレークに入った延長十回の1イニングのみを行うことを決定。延長十回に決着したが、午後10時46分終了で試合時間が確認できる1953年大会以降では最も遅い時間だった。
日本高校野球連盟の井本亘事務局長は「トライしてやっているので(運営が)しんどいのは当たり前だが、課題がたくさん出てきていると感じている」と話した。各校からのアンケートなども踏まえ、来年以降の運営のあり方について検討する。【村上正】
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