山口県平生町は、災害時に自治体同士が移動式トイレを相互に派遣するネットワークと、給水車を所有する地元企業と、それぞれ協力協定を結び、新たに購入したトイレトラックを、給水車と共に被災地に送り込む取り組みを始める。
浅本邦裕町長とネットワーク構築を進める一般社団法人「助けあいジャパン」(静岡県)の石川淳哉共同代表理事、給水車を提供する環境衛生会社「ひらお」(平生町)の石田惣一社長が7日、町役場で協定に調印した。
調印式で浅本町長は「災害時にトイレは食料や飲料水の確保と同じくらい重要。トイレトラックとネットワーク加入で町民の健康と尊厳を守れる。他の被災地にも派遣でき、町民の誇りにもなる」と期待した。給水車を提供する石田社長は「被災地ではトイレトラックへの給水も難しいと聞いている。できることをして、お役に立ちたい」と抱負を述べた。
平生町のネットワーク加盟は全国34番目で県内初。加盟自治体は2025年度末で57になる予定だが、給水車とセットでの協力は全国初という。
平生町は購入したトイレトラックをお披露目した。四輪駆動車で洋式水洗トイレや洗面台などを備えた個室を五つ搭載。うち1室は車椅子のための電動昇降機や、人工肛門などの使用者用のオストメイト対応設備、おむつ交換台などを備える。
購入費は約2600万円。約3割にあたる800万円を目標にクラウドファンディングを実施し、4月1日から2カ月間で目標額を超える86件、998万7000円が町内外から寄せられた。【大山典男】
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