
米国の大学を目指す動きが高校野球界で広がっている。球児たちは何を求めて海を渡るのか――。
その疑問を抱くきっかけとなったのが、岩手・花巻東高時代に歴代最多とされる高校通算140本塁打を放ち、米スタンフォード大に進学した佐々木麟太郎選手(20)の存在だ。日本の高校で活躍したスラッガーが米国の大学で1年プレーして感じた「責任」とは。【田原和宏】
後編は下記から読めます
父から学んだ「リスク」「リターン」 佐々木麟太郎の経済学的思考法
「浜省さん一筋」
「米国内で最も美しい大学野球施設」と評される野球場がスタンフォード大の構内にある。1931年に建設された「サンクン・ダイヤモンド」。収容4000人の天然芝の球場内で「リンタロウ・ササキ」の名が告げられると、「浜省(はましょう)」の愛称で知られる浜田省吾さんの名曲「J.BOY」が球場に流れる。
「子どもの頃から大好きです。『浜省さん一筋』と言ってもいいぐらい。最初は父(佐々木洋・花巻東高野球部監督)の影響でした。車内で流れる曲を聴くうちに好きになりました。歌詞の内容が深くて感じるものがあります。
昨夏のサマーリーグから登場曲に使わせてもらっています。最初は『家路』という曲だったのですが、日本語の歌詞が多くて観客も歌うのが難しかったのかもしれません。
『J.BOY』を使うようになって一緒に歌ってくれる人たちが増えました。この曲を使って打席に入ると、…
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