
岩手・花巻東高時代に歴代最多とされる高校通算140本塁打を放ち、2024年秋に米スタンフォード大に進学した佐々木麟太郎選手(20)。日本のプロ野球界が注目したスラッガーが高卒で米国行きを決断した思いとは。【田原和宏】
前編は下記から読めます
米国への憧れは「浜省さん」? スタンフォード大進学の佐々木麟太郎インタビュー
「恐怖心でためらう選手いるかも…」
佐々木選手の米大学への進学は、高校や中学の球児の進路選択に少なからず影響を与えている。高校野球の強豪私学の監督は「佐々木選手の活躍次第で、選手たちの米国進学を目指す流れは加速するのではないか」と予測する。
一方、シニアリーグのある指導者は「米国挑戦が増えているのは確かだが、大学で高いレベルにある東京六大学リーグのチームを目指す選手は、リスクを考えて米国留学の道を選ばないのではないか」とも指摘する。
「米大学に挑戦する選手が増えたといっても、まだまだ少ないと思います。恐怖心もあってためらう選手もいるのかもしれません。
米大学に進学するには高校の先生はもちろん、時には専門的なアドバイザーのサポートが必要になります。自分の動画を撮影して大学のコーチに送るなどプロセスがある。そういうことを知らなければ、選択肢として考えることも難しいです。
私の場合、幸いにも代理人など詳しい人たちが周りにいました。学費と寮費が免除される『フルスカラシップ』という、いい条件で大学を選ぶことができました。
情報やサポート体制が広がれば、これから米大学への進学の可能性は広がると思います。米国には数多くの大学があります。探せば、環境や条件、目標など自分に適した大学が見つかると思います。
誤解しないでほしいですが、私は日本の大学を否定しているわけではありません。米国の大学進学という選択肢があれば、そこに適した選手は必ず出てくるということです。
私が米国を選んだ理由は、…
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