トランプ米大統領は11日、15日に予定されているロシアのプーチン大統領との首脳会談に絡み、会談直後にウクライナのゼレンスキー大統領や欧州の首脳らに電話し、停戦合意に関して調整を図る考えを示した。また、ロシアが占領するウクライナ領の一部について「ウクライナのために取り戻す努力をするだろう」とも語った。
ウクライナやウクライナを支援する欧州各国には、頭越しで交渉が進むことへの警戒感が広がっている。トランプ氏はウクライナや欧州にも配慮する姿勢を強調した形だ。
トランプ氏はホワイトハウスでの記者会見で「会談の直後にゼレンスキー氏や欧州の首脳らに電話する」と説明。プーチン氏の出方を踏まえてどのような合意が可能かを伝えるとする一方で、「合意を結ぶかどうかは私の判断ではない」と語り、ウクライナなどの考えを聞く方針を示した。「(会談の)冒頭の2分間で、合意が可能か正確に判断できる」とも主張した。
また、米露首脳会談の「次の会談」として、プーチン、ゼレンスキー両氏の会談の実現にも意欲を示し、「必要なら私も同席する」と強調。ゼレンスキー氏を米露首脳会談の開催地の米アラスカ州に招待することについては「彼は(会談計画の)一部ではなかった。来ることができるかもしれないが、彼は多くの会議に参加したものの、何も起きなかった」と述べ、消極的な姿勢を示した。
また、トランプ氏はロシアとウクライナの「領土交換」が必要になると改めて言及し、「戦線を変更する」と語った。その上で、ウクライナ領の土地の一部を取り戻す考えを示し、双方が受け入れ可能な合意を模索すると説明。ただ、ゼレンスキー氏が憲法上の理由から領土割譲に否定的な考えを示していることに対し、「少し悩まされている」とも明かした。【ワシントン松井聡】
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