学生の就職活動にかかる費用が一部の地域で上昇している。物価高の影響で宿泊費や交通費の負担が増加。前年から計4万円以上コストアップした地域もあり、就活への影響が懸念される。
人材大手のインディードリクルートパートナーズが6月に2026年春卒業予定者を対象に就活の状況を調査。大学生820人の回答を集計した。
交通費や宿泊費、被服費など「就活全体にかかった費用」を尋ねると、全国平均は8万2277円。前年から約2000円減少しているが、項目別では「宿泊費」は約5000円、「交通費」は約1000円上昇している。
学生の居住地域別にみると、費用に大きく差が出ている。
平均金額が最も高かったのは「北海道・東北」で15万5817円。「中国・四国」が10万3052円、「九州」が8万9154円と続いた。逆に最も低かったのは「関東」で6万1372円。最高値の「北海道・東北」は前年から4万4100円増え、最安値の「関東」は1万7083円減った。
また、6月までオンラインと対面のどちらで就活に参加したかを調べると、説明会と1次面接はいずれも「オンラインのみ」または「どちらかというとオンラインが多かった」の回答が約7割に上った。最終面接では逆転し、「対面のみ」または「どちらかというと対面が多かった」が約7割を占めた。「対面のみ」の回答は前年から8・3ポイント増となり、対面の傾向が強まっている。
調査を実施したインディードリクルートパートナーズの栗田貴祥・リサーチセンター上席主任研究員は「オンラインと対面を使い分けたり、遠方の学生には交通費の支給を検討したりするなど、経済的な負担を考慮してほしい」として、企業側が柔軟に対応する必要があると指摘した。【嶋田夕子】
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