虚構と現実が入り交じった「フェイクドキュメンタリー」。その第一人者であり、「ノロイ」(2005年)、「貞子VS伽椰子(かやこ)」(16年)など、実験的なホラー映画を手がけてきた白石晃士監督の最新作「近畿地方のある場所について」が全国で公開中だ。じわじわと恐怖が迫るJホラーの正攻法と、思いがけない真実へたどり着くミステリー要素を巧みに融合させている。
とあるオカルト雑誌の編集者が行方不明になった。同じ雑誌の若手編集者・小沢悠生(赤楚衛二)とオカルトライター・瀬野千紘(菅野美穂)は調査を進める。消えた編集者が追っていたのは、幼女失踪事件や中学生の集団ヒステリー事件など、未解決事件や不可解な現象の数々。彼の行方を探るうちに、それらの事象はいずれも“近畿地方のある場所”とつながっていることに2人は気付く。だがそこは、見つけてはならない禁断の場所だっ…
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