個と社会、近く感じるまち 徳島・神山に通い新著、杉本恭子さん

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 「まちづくり」や「地方創生」の言葉とともに、よく名前の挙がる自治体がある。緑豊かな四国山地に囲まれ、清流の鮎喰(あくい)川が流れる徳島県神山町。IT企業のサテライトオフィスの整備や、芸術家の滞在制作「アーティスト・イン・レジデンス」など、早くから多彩な事業に力を入れてきたことで知られる。

 京都在住のライター、杉本恭子さんは約10年前からこの町に通い、移住やUターンをして暮らす女性たちの話に耳を傾けてきた。まちも、その風景も、人々の日々の営みの上にある。新著『まちは暮らしでつくられる 神山に移り住んだ彼女たち』(晶文社)は、そんな視点から、個の人生と社会の接点を照らすノンフィクションだ。

 下敷きとなったのは、ウェブマガジン「雛形(ひながた)」で2016~21年に連載した「かみやまの娘たち」。3カ月ごとに町に足を運び、建築、食、アート、教育など、さまざまな立場で活動する人々の話を聞いた。「通っているうちに、会いたい人がどんどん増えていった」と振り返る。連載終了後も取材を続け、計34人、延べ100回以上に及んだインタビューを、人とまちの物語として編み直した。

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