途切れぬ建設工事、人海戦術… 世界一の「原発大国」見据える中国

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中国は原発の建設を加速している=中国浙江省・三門県で2025年7月
中国は原発の建設を加速している=中国浙江省・三門県で2025年7月

 7月上旬、中国東部の浙江省。東シナ海を望む半島の町・三門(サンメン)県にある三門原発で、巨大な原子炉の建設が進んでいた。海沿いに太陽光パネルが並んでいる。

 広大な敷地には、オフィス棟のほか中国原発史の展示棟、食堂やレクリエーション施設もあり、従業員らであふれかえっていた。

 近くで飲食店を営む男性は「昔は小さな漁村だったが、原発で発展した」と満足げに話した。

 「三門は優れた地理的条件を持っている。原発建設を加速すべきだ」。2003年5月、当時、浙江省トップの書記だった習近平国家主席はこの地を視察に訪れ、そう述べている。

 三門原発では米ウェスチングハウス(WH)製の原子炉「AP1000」を導入。09年に1、2号機が着工し、18年に商業運転を始めた。22、23年に3、4号機が着工、今年4月には5、6号機の建設が認可された。習氏の言葉通り、まさに原発ラッシュの様相だ。

30年には米仏抜いて世界一

 中国で商用原発が営業運転を始めたのは1994年で、日本や欧米よりも後発。フランスや米国から原子炉を輸入しつつ、国内で自主開発も並行してきた。

 12年発足の習指導部は原発をエネルギー政策の根幹に据え、14~23年の10年間で新たに38基が運転を始めた。この間に世界で稼働した67基のうち、実に6割近くを中国が占める。今年4月には三門原発を含めて新たに5カ所10基、総投資額2000億元(約4兆円)のプロジェクトが認可された。

 見据えるのは世界一の原発大国だ。4月下旬に公表された「中国原子力発展報告書」によると、中国の商業運転中の原発は24年末時点で57基、総設備容量は5976万キロワットと米国、フランスに次いで世界3位。計画通りなら…

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