
トランプ米大統領は今年1月の就任以降、関税措置の発動やイランの核施設への攻撃などを行ってきた。
国際社会がトランプ氏の動向に神経をとがらせるなか、米国内では、トランプ政権に対して短期的な核保有の容認など、対北朝鮮政策の見直しを求めるシンクタンクなどの提言が相次いでいる。
トランプ政権が対北朝鮮政策の転換に踏み切れば、「完全な非核化」を掲げてきた日本政府は対応を迫られる可能性がある。
<主な内容>
・専門家、対北施策は「支離滅裂」
・北朝鮮に対する米国の「熱量」
・狙うレガシーは朝鮮戦争の終結?
・含みを持たせる北朝鮮
・日本に求められる「米国ファースト型」
持続可能な対北施策?
「ワシントンの目標は、危険な共存という現状から、より安定した共存へと移行すべきだ。北朝鮮との調整を追求する方向にシフトすべきである」
今年5月にこんな提言を発表したのは、安全保障専門家であるカーネギー国際平和財団のアンキット・パンダ氏と、元米国防総省当局者のフランク・オム氏だ。
両氏の問題意識は、対北圧力を強めてきた従来の方針に「持続可能性がない」としていることだ。
これまで米国は北朝鮮の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」を目標として掲げてきた。
提言は、情報機関などの分析の結果が北朝鮮の核保有を現実的なものと受け止めている一方で、政府が完全な非核化という目標を掲げることを「支離滅裂」と指摘。
非核化が強調されるべきではないとし、短期的には「北朝鮮が核兵器を保有し続けることを容認」するよう求めた。
その上で、北朝鮮との信頼を築くため…
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