大阪・関西万博の会場で13日夜、大勢の来場者が足止めされた。
「一睡もできなかった」。保育士の女性(28)=大阪市鶴見区=は、大阪・関西万博の会場で一夜を明かした。
万博を楽しんだ後、東ゲートから出て夢洲(ゆめしま)駅に向かう途中、大阪メトロ中央線の運転見合わせを伝える放送が流れた。「えー」。周りからは驚く声が上がったという。
スマートフォン用のモバイルバッテリーを持っていなかったという女性。スマホの充電が少なくなり、インターネットを使った情報収集は控えた。「運転再開のめどを伝えるアナウンスもなく、不安だった」
女性は混雑した夢洲駅から会場に戻り、大屋根リングの下に移動した。横になったベンチは固くてなかなか寝付くことはできない。
開放されたパビリオンや芝生で寝転がる人。段ボールを布団代わりにする人。帰宅できなかった来場者は、思い思いに運転再開を待っていたという。
女性は座っているのもつらく、会場内を歩くなどして朝を迎えた。「夏なので外でも過ごせたが、冬だったら大変なことになっていたと思う」と話す。
友人と2人で会場を訪れていたフリーターの仁科夏瑚さん(25)=東京都杉並区=も会場内にとどまり、パビリオンの床で横になった。
13、14両日の万博チケットを購入していたが、足止めで疲れたことから、14日は東京に帰ることにしたという。「東ゲートと夢洲駅の間で人があふれ、体調不良者が続出したのはまずかった。万博協会にはチケット代を払い戻してほしい」と話した。【林みづき】
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