JR東日本横浜支社は、今春からワンマン運転を開始した南武線について、導入前に比べて電車の遅延が増加したことを明らかにした。前年同期に比べて、10分以上の遅れの発生件数が2倍以上になったという。【葛西大博】
同支社は4~6月に調査。電車が遅れる要因として、ワンマン運転後の車両とホームドア開閉のシステム変更で、電車が駅に到着してからドアが開くまでの時間が従来よりも数秒長くなったことが挙げられるという。また、発車メロディーを流す場所が従来は駅のホームのスピーカーだったが、車両から放送されるように変更され、利用客に聞こえにくく乗降に時間を要するようになったという。さらに、沿線人口の増加により、前年度に比べて南武線の混雑率が上昇したことも一因だとしている。
同支社の担当者は、「ワンマン運転が始まった3月15日以降、利用者の方から特にラッシュ時間帯の遅延に関する意見が多数寄せられており、実際に遅れが増加しているのも事実」と語る。一方で、乗務員を1人にしたこと自体が遅れの原因ではないとしており、運転方法を見直す予定はないという。
対策として、今秋をめどにドアの開閉に関する車両システムを変更し、時間短縮を図るほか、発車メロディーの音量を上げるための改修を実施する。将来的にはダイヤ変更も検討するという。
南武線は川崎駅と立川駅(東京都立川市)を結ぶ。3月のダイヤ改正で車掌乗務を廃止し、運転士がドアの開閉も担っている。首都圏の主要路線でのワンマン運転の本格導入は初めて。
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