スーッとメントール 実は熱中症リスク上昇? SNS投稿の真偽は

Date: Category:社会 Views:4871 Comment:0

冷感のスプレーでメントールを肌に塗ると、温度が下がらなくても「冷たい」という感覚がもたらされる(写真はイメージ)=ゲッティ
冷感のスプレーでメントールを肌に塗ると、温度が下がらなくても「冷たい」という感覚がもたらされる(写真はイメージ)=ゲッティ

 スーッと清涼感をもたらす「メントール」成分を含む冷感グッズは、熱中症への対策にはならず、むしろリスクを上げてしまう――。

 そんな指摘が交流サイト(SNS)にたびたび投稿されている。そもそもメントールは、なぜスーッとするのか。そして実際に、熱中症対策としては「逆効果」なのだろうか。専門家に聞いた。

だまされる脳?

 SNSで投稿されている指摘は、主にこんなところだ。

 <メントールは脳を錯覚させて涼しいと思い込ませるが、体温自体は下がっておらず、熱中症対策にならない>

 <そればかりか、症状に気付きにくくなってむしろ熱中症になるリスクを上げてしまう>

 ずばり、この指摘は正しいのか。

 メントールは脳を錯覚させるというが、そもそもどんな仕組みで肌をスースーさせるのだろうか。

 熱中症予防のための体温調節に関する基礎研究にも取り組んでいる筑波大の藤井直人准教授(運動生理学)に解説してもらった。

 人が温度を感じる感覚には、感覚神経など体のさまざまな組織に存在し、温度を感じ取るセンサーの役割を持つたんぱく質「TRPM8」が関わっているとされる。

 冷感のスプレーやシートなどでメントールを肌に塗ると、…

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