オスの蚊の聴覚を錯乱して繁殖を防ぐ仕組みを発見したと、上川内あづさ名古屋大教授(神経科学)らの研究チームが発表しました。殺虫剤を使わずに蚊が媒介する感染症を防ぐ方法として期待されています。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「蚊の繁殖を防ぐ仕組み発見」について解説します。
Q 蚊の繁殖を防ぐ仕組みが発見されたって聞いたよ。どうやって繁殖を防ぐの?
A オスの蚊は触覚を揺らし、メスの羽音の周波数と一致させることで位置を把握して交尾に成功することが知られています。しかし、触覚を揺らす仕組みはよくわかっていませんでした。
Q その仕組みがわかったの?
A 研究チームがネッタイシマカで調べたところ、「オクトパミン」という神経伝達物質が役割を果たしていることがわかりました。これを人為的に除いたり、働かないようにしたりすると、触覚をメスの羽音の周波数に合わせられなくなることを発見しました。
Q どうやってオクトパミンの働きを止めるの?
A 研究チームは、オクトパミンが機能しないようにする化合物を見つけました。上川内さんは「化合物を餌に混ぜたり、スプレーで吹きかけたりすることで繁殖が防げる可能性がある」と話しています。
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